2月の投句箱

イヌノフグリの花の写真

「犬ふぐり」

さあ、書を捨てて野に出よう。犬ふぐりを探しに行こう。
犬ふぐりたちはきっと何かを語りかけてくれるでしょう。

今月の選者

池田雅かず(いけだ まさかず)
アロハシャツを着た男性の写真
卯浪俳句教室「卯浪OSAKA」講師
https://unami-osaka.jimdosite.com/
日本伝統俳句協会関西支部企画委員
公益財団法人虚子記念文学館常務理事
精神対話士

“ふれあって・こころ・ゆたかに“
たった十七音の言の葉を媒介にして、自然とふれあい、人とふれあい
「今・ここに・生きていること」
その実感と歓びを共感の心でシェアすること。
それが私にとっての俳句です。

特選1

犬ふぐり畔塗の手を休めけり工藤悠久

選評

田起こしの後崩れた畔を直しモグラの通り道をふさいで、水もれを防ぐためにすることを「畔塗」という。
恪勤に黙々と作業をする農夫。ふと畔の犬ふぐりに気づく。彼らを見つめる優しい表情が映像を結ぶ。
早春の農村の心なごむ一景である。

特選2

水色の瞳ルルルル犬ふぐり内藤一個

選評

俳句は直感だ。だから水色の瞳と犬ふぐりの間を余計な言葉で繋がず「ルルルル」とだけ。「ララララ」でもなく「ふふふふ」でもないのだ。
実際に犬ふぐりをみたらすとんと腑に落ちた。感覚的な言葉だがそれ故想像の翼を広げることができた。

特選3

犬ふぐり町行く人の足はやき松尾なおゆき

選評

都会の一画、こんな処にも犬ふぐり。しかし都会人たちみな忙しいのか足早だ。誰も地べたの彼らに気づくこともない。
だが一人の詩人が歩を止めた。「やっと気づいてくれたんだね」彼らは詩人にそう語りかけ、そして詩人もその声にそっと寄り添った。

佳作

踏まれても色失わず犬ふぐり道中義臣
初めての散歩の子犬いぬふぐり中島容子
朽ち果てし野外劇場犬ふぐりdragon
この村に住めば友なる犬ふぐり杉尾芭蕉
一万歩往けば待ちたる犬ふぐり赤福餅
江戸川を足のむくまま犬ふぐり麦秋
犬ふぐり赤きペダルの三輪車石塚彩楓
神様のほほえみの色犬ふぐり石原由女
吾子の目の行く先々に犬ふぐり戸村友美
いぬふぐり童話の国の星あかり
一斉にお日さま見あぐ犬ふぐり砂月みれい
犬ふぐり吾子はじめての靴を履く工藤悠久
ころころと転がる球や犬ふぐり白鳥稔
犬ふぐり象のかたちの滑り台星月彩也華
宇宙への夢見てゐるや犬ふぐり佐久凡太郎

気になる句

犬ふぐり地球のあをを足しにけり
犬ふぐりと地球。小に大の取り合わせ。面白いですが、このスケールならもっと常識を逆転させてみては如何でしょう。
たった一字触るだけです。また「を」の重複も視覚的に少し気になりました。
「犬ふぐり地球に碧を足しにけり」

選者吟

いぬふぐり色を辿つて伸ばす試歩雅かず

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