9月の投句箱

河川敷

「水澄む」

日一日と水は澄んでいく

今月の選者

小川みゆき(おがわ みゆき)
氷川丸と薔薇
卯浪講師
日本伝統俳句協会関東支部/副支部長・神奈川部会長
公益社団法人日本伝統俳句協会監事
キャンプが好きな40年来のオールドキャンパーです

特選1

水澄むや覗けば覗き返す顔堀 雅一

選評

覗き返す顔ということで水が澄んでいる状態が分かります。
顔がはっきり映るとぎょっとしてしまう自分がいて一瞬笑ってしまいます。楽しいお句ですね。

特選2

水澄むや忍野八海逆さ富士横山 三水

選評

富士山の湧き水は綺麗ですよね。はっきり水に映った富士山を述べ、「水澄む」を表現しました。

特選3

大海へ漕ぎ出す舟や水澄めり高木音弥

選評

元気が出る句です。水澄むを使ってただ綺麗さを表現するだけでなく力強さまで表現したことがいいですね。

佳作

水澄みて船頭の唄のびやかに春駒
水澄むや池の底には朽ちし舟防子
カルデラの森に抱かれ水澄めり千代 之人
顔上げて歩行訓練水澄めり
水澄むやうだつが睨む藍の町石爽子
水澄むや底に広ごる光の環酒梨
水澄みて蕎麦屋の水車調子よし福井桔梗
水澄むや雲と青空池の底楠丘
水澄むや一軒ごとにかかる橋珍酒
散骨は友の遺言水澄めり風来
水澄むや川から海へ筏旅おどろく
割れ茶碗沈む小川の水澄めり木村隆夫
水澄むや竜神様へ願い札くつの した子
木挽唄流るる里の水澄めり春よ来い
目に見えぬ水澄む色を描きけり

気になる句

水澄むやポン菓子爆ぜてこだませり
とても楽しい句ですね。子供時代ポン菓子を作る人が来ると嬉しかったことを覚えています。
この句の中で「爆ぜて」という言葉はいらないのではと思います。
「水澄むやポン菓子ぽんとこだませり」ではいかがでしょうか?

選者吟

水澄みて亡母と会話する旅へみゆき

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