5月の投句箱

薔薇の花

「薔薇」

私の住む八千代市には京成バラ園があり、たくさんの品種を世に送り出しています。
庭園の薔薇は、それぞれに名前がつけられています。
「薔薇の名を旅するがごと巡るかな」と詠んだことがありますが、名札を見てまわるだけでも素敵な気分になれます。

今回の選者

前北かおる(まえきた かおる)
選者:前北かおる
日本伝統俳句協会関東支部千葉部会長。
「夏潮」会員。句集『ラフマニノフ』、『虹の島』。

ブログ「俳諧師 前北かおる」 
YouTubeチャンネル「前北かおる」 

特選1

君と良く似たママのいる薔薇の家GONZA

選評

彼氏の家を訪れるのも初めてではないのでしょう。相手の母親の印象が飾らない表現で詠われていて、好感度が高かったです。「家」と言って、直接人を描かなかったところも巧みです。

特選2

隠し持つ言葉のつるぎ薔薇の花高木音弥

選評

口に出すことはなくても、人を傷つけるような言葉が心に浮かぶことはあります。作者は、薔薇を見ながら、そのことを改めて自覚したのです。
「隠し持つ」「言葉のつるぎ」とあからさまでなく言ったところが上品です

特選3

閼伽桶の101本の赤い薔薇たま走哉

選評

101歳を前に大往生されて、誕生日に納骨という場面を想像しました。かなり特殊な状況を印象的な物だけで描いていて、見事な表現だと思いました。

佳作

彼からの薔薇の花束二十歳の日戸村友美
地下鉄に薔薇の花束抱く男伊藤順女
命日の雨とめどなく薔薇の庭小路
いちめんの薔薇に中ってしまいけり中島容子
週末のために薔薇を買ひにけり高岡春雪
薔薇の門くぐれば三ノ輪橋電停中島容子
「新雪」の名札へ白き薔薇の散るぼてち
雨上がり薔薇の雫に映る色 一鹿の子
薔薇を背に袋小路を戻りけり落句言
空き缶に一本の薔薇無人駅楠丘
静物デッサン今日の薔薇は不機嫌ノセミコ
ねむの木の庭の薔薇や夕迫るこのみ杏仁
薔薇の門潜る先から歌声が岡崎梗舟
夕暮れのショパンのソナタ薔薇館岡崎梗舟
イングリッドバーグマンなる薔薇を挿す風来

気になる句

薔薇よりも消火器の似合ふ女なり
自虐ということであれば、面白いと思いました。作者自身のことだと自信を持って言い切れなかったので、こちらにいただきました。

選者吟

むらがりて薔薇らしからぬ小花かな前北かおる

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