「日永」
稽古会などで朝から晩まで句会三昧が続くと、さすがに疲れが溜まってきます。
そんな時には、横着して布団の中や朝風呂、昼風呂で俳句を詠むことが多いです。
九州の能古島では、「湯船より小虫を掬ふ日永かな」という俳句ができました。
今回の選者
特選1
人類の赦されてゐる日永かなGONZA
選評
ずいぶん大きく出たなという感じですが、そこに俳諧らしい味わいを感じました。こんな考えが浮かぶほど、のどかに暮れていこうとする一日だったのでしょう。
特選2
鰹節かいて日永の厨かな参山
選評
家庭ではなくて、お店の厨房かもしれません。ゆったりと仕事に取り掛かったところを端正に切り取っていて、好感度が高かったです。
特選3
黒猫のうあんと欠伸して日永比良田トルコ石
選評
「うあんと」という擬態語が、欠伸の姿勢や動きを見せてくれるようで、うまいと思いました。つれない黒猫のかわいい姿に、くつろいだ空気を感じたのでしょう。
佳作
永き日や波にころがる虚貝いわきりかつじ
自転車を推して日永の道を行く百緑
永き日や定石事典小目編清瀬朱磨
新人のスーツ繰り出す街日永香舟
神鈴のぐわらんぐわらんと鳴る日永伸瑚
ランドセルベンチに並ぶ日永かな千代 之人
永き日の石舞台過ぐ雲の影石塚彩楓
命日に姉妹が集う日永かな戸村友美
見習いと八十歳の日永かな坂口いちお
日永かな鳥よけテープ風に揺れ木村隆夫
占いの順番待ちて日永かな柚木みゆき
永き日や机かたして退職日遊羽女
永日の窓カーテンを挟みけり河島 勇人
永き日や花びら浮かぶティーポット桜鯛みわ
洗濯物叩いてくしゃみ出る日永江口朔太郎
自転車を推して日永の道を行く百緑
永き日や定石事典小目編清瀬朱磨
新人のスーツ繰り出す街日永香舟
神鈴のぐわらんぐわらんと鳴る日永伸瑚
ランドセルベンチに並ぶ日永かな千代 之人
永き日の石舞台過ぐ雲の影石塚彩楓
命日に姉妹が集う日永かな戸村友美
見習いと八十歳の日永かな坂口いちお
日永かな鳥よけテープ風に揺れ木村隆夫
占いの順番待ちて日永かな柚木みゆき
永き日や机かたして退職日遊羽女
永日の窓カーテンを挟みけり河島 勇人
永き日や花びら浮かぶティーポット桜鯛みわ
洗濯物叩いてくしゃみ出る日永江口朔太郎
気になる句
日永かな月が段々遠くなる
取り留めもない考えが一句にされていて、これもまた「日永」らしく思われました。実際の天体の動きに理由があってのことなのでしょうか。その辺りが気になりました。
選者吟
雨過ぎて日永の虹の立ちにけり前北かおる
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