「秋祭」
秋季に行われる神社の祭礼。単に「祭」と言うと夏季のもの。別に「春祭」もある。
祭の発生や意義、季節感がそれぞれに異なる。農村の秋祭の場合、収穫に感謝し、山に帰る神を送るという本義が今も色濃い。
祭の発生や意義、季節感がそれぞれに異なる。農村の秋祭の場合、収穫に感謝し、山に帰る神を送るという本義が今も色濃い。
今回の選者
長谷川槙子(はせがわ まきこ)
1962年生まれ
都内女子校の国語科講師。鎌倉に住み、吟行をこよなく愛する。
卯浪俳句教室講師。
都内女子校の国語科講師。鎌倉に住み、吟行をこよなく愛する。
卯浪俳句教室講師。
特選1
三升の米研ぐ夜明け秋祭すずしろゆき
選評
秋祭に向け、早朝から三升もの米を研ぐ人がいる。
炊き上がったご飯がきれいに無くなる時も又、爽快。
炊き上がったご飯がきれいに無くなる時も又、爽快。
特選2
泥の香の農具小屋出て秋祭加良太知
選評
泥の匂いのする納屋から、直接出向く秋祭。
周囲には稲が輝き、実りの季節の労働も偲ばれる御句。
周囲には稲が輝き、実りの季節の労働も偲ばれる御句。
特選3
秋祭り道祖神にも置く駄菓子蓮田 椿
選評
秋祭で配る駄菓子を道祖神に供えたのは、子どもであろうか。
道端の神をも大切にできる村は、きっと平和。
道端の神をも大切にできる村は、きっと平和。
佳作
花婿の殊に勇めり秋祭工藤遊子
杉木立抜けて青空秋まつり勝本熊童子
秋祭踏切わたる鯨舟楠丘
神名備の樟の根あらは秋祭茫々
浜風に踊る電球村祭男爵藷
田んぼにもお神酒ふるまひ村祭酒梨
笛宮司太鼓和尚や秋祭葦たかし
秋祭り園児の飾る樽神輿寺津豪佐
能面に泣く子笑ふ子秋祭桜鯛みわ
早引けも休暇もよろし村祭まこと
万灯に万のたましひ秋祭遊羽女
棚田までひびく笛の音秋祭古本屋
祝砲の上がる青空秋まつり茉莉花
先導の笛の音澄みし秋祭柚木みゆき
高々と空へ竿立て秋祭無弦奏
杉木立抜けて青空秋まつり勝本熊童子
秋祭踏切わたる鯨舟楠丘
神名備の樟の根あらは秋祭茫々
浜風に踊る電球村祭男爵藷
田んぼにもお神酒ふるまひ村祭酒梨
笛宮司太鼓和尚や秋祭葦たかし
秋祭り園児の飾る樽神輿寺津豪佐
能面に泣く子笑ふ子秋祭桜鯛みわ
早引けも休暇もよろし村祭まこと
万灯に万のたましひ秋祭遊羽女
棚田までひびく笛の音秋祭古本屋
祝砲の上がる青空秋まつり茉莉花
先導の笛の音澄みし秋祭柚木みゆき
高々と空へ竿立て秋祭無弦奏
気になる句
秋祭べつ甲飴の尖りゆく
秋祭と鼈甲飴の取り合わせに惹かれたものの、最初「(尖り)ゆく」が分からなかった。
作者は実演販売を見ているのかもしれないが、「尖りゐる」等、経過より「今」を詠む方がよいのでは。
作者は実演販売を見ているのかもしれないが、「尖りゐる」等、経過より「今」を詠む方がよいのでは。
選者吟
それぞれの畦道を来し秋祭槙子
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