「流星」
「流れ星」「夜這星」とも。
その正体は、発光した宇宙塵。とは言え、澄んだ夜空にしか見えない神秘的な現象であることに違いはない。
その正体は、発光した宇宙塵。とは言え、澄んだ夜空にしか見えない神秘的な現象であることに違いはない。
今回の選者
長谷川槙子(はせがわ まきこ)
1962年生まれ
都内女子校の国語科講師。鎌倉に住み、吟行をこよなく愛する。
卯浪俳句教室講師。
都内女子校の国語科講師。鎌倉に住み、吟行をこよなく愛する。
卯浪俳句教室講師。
特選1
流れ星明日のパンを買ひに出る艀舟
選評
明日食するパンを買いに出るという何でもない日々の営みを、流星が明るくしてくれた。家族や自分自身を大切に生活できるのは、素敵なこと。
特選2
夜這星亡夫の知らぬ人とゐてみなと
選評
夫亡き後に知り合った人と共に、流れ星を見た。夫はこの人を知らないのだ。空を走る一瞬の光が蘇らせたのは、夫を亡くしてからの作者の歳月。
特選3
杉が枝のかすかに揺れて星流る勝本熊童子
選評
杉の枝が微かに揺れたことと星が流れたことは、もちろん無関係。けれど、流星が枝を揺らしたかと想わせる詠い方が魅力。
佳作
流星や新幹線がやってくるとんぶりっこ
夜這星ふたりっきりの散骨式ノセミコ
流星やひとつ毛布にくるまっていちご一会
縁台は実家の形見流れ星まいける
流星や阿蘇高原の深き闇みずき
星飛ぶや空海いまもおはす山柚木みゆき
星飛んでなお仄暗き水面かな太平楽太郎
流星や平和の祈り終えぬ間に宮村土々
前髪の僅かに揺れて星流る菫久
神杉の高き夜空や流れ星ぶえもん
流星にまた追ひ抜かれ夜行バス多々良海月
流れ星真闇に光る深海魚ダック
流星やミントの香る人といる中島容子
流れ星忘れたはずの夢ひとつ清瀬朱磨
流星や握り拳の中は空中島走吟
夜這星ふたりっきりの散骨式ノセミコ
流星やひとつ毛布にくるまっていちご一会
縁台は実家の形見流れ星まいける
流星や阿蘇高原の深き闇みずき
星飛ぶや空海いまもおはす山柚木みゆき
星飛んでなお仄暗き水面かな太平楽太郎
流星や平和の祈り終えぬ間に宮村土々
前髪の僅かに揺れて星流る菫久
神杉の高き夜空や流れ星ぶえもん
流星にまた追ひ抜かれ夜行バス多々良海月
流れ星真闇に光る深海魚ダック
流星やミントの香る人といる中島容子
流れ星忘れたはずの夢ひとつ清瀬朱磨
流星や握り拳の中は空中島走吟
気になる句
水割りのことりと氷流れ星
グラスの中に浮かぶ氷と、流れ星の取り合わせに惹かれた。「水割りの氷ことりと流れ星」と詠めば、流れ星も氷も読者の心の中に鳴る。
選者吟
流星や窓辺に吊す千羽鶴槙子
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