「朧月」
外気が暖かくなってきた頃の朧月
外に出て春の夜を楽しみたいです
今回の選者
山本素竹(やまもと そちく)
1951年生まれ
書と篆刻の個展を続ける
朝日俳壇賞、日本伝統俳句協会賞など
書と篆刻の個展を続ける
朝日俳壇賞、日本伝統俳句協会賞など
特選1
朧月明日も朝から忙しく田畑 整
選評
春の夜の外気の気持ち良さ。しかも朧月となれば、しばらく月を見ながら外を楽しみたい気持ちもわかる。だが明日も朝から忙しいと、朧月を背に現実に戻る作者。余韻のある句。
特選2
朧月点滅灯のビル高し艀舟
選評
ビルの屋上に点滅する光は、飛行機などに高い建物を知らせる目印。明るい夜空に浮かぶビルの景色が想像される。朧月の空と、人の世のビル、点滅灯とのコラボ。
特選3
背負ひたる吾子の寝息や朧月稜風
選評
子を寝かそうとしての屋外を想像した。古き時代の田舎の光景かもしれない。人々の暮らしを見守るような朧月が目にうかぶ。
佳作
停車場に乗客ひとり朧月蒼鳩 薫
朧月眠らぬ街を眠らせて沙那夏
球場のきえし灯やおぼろ月砂山恵子
村はずれ灯るものなし朧月甲賀忍者
十津川のつり橋高しおぼろ月風来
薬局の電飾猛し朧月堀雅一
朧月母のよはひをおもふなりWAKO
寝静まる街は無呼吸朧月一日一笑
月おぼろ夜を眠らぬ鳥獣待須
病床の母やさしくて朧月キートスばんじょうし
哀しみはスローモーション朧月せつこ
朧月土塀の続く内子町桔梗
病む吾子に又ねと手ふり朧月のり女
この人と連れ添ふ予感朧月香舟
朧月決算前の帰り道安楽人
朧月眠らぬ街を眠らせて沙那夏
球場のきえし灯やおぼろ月砂山恵子
村はずれ灯るものなし朧月甲賀忍者
十津川のつり橋高しおぼろ月風来
薬局の電飾猛し朧月堀雅一
朧月母のよはひをおもふなりWAKO
寝静まる街は無呼吸朧月一日一笑
月おぼろ夜を眠らぬ鳥獣待須
病床の母やさしくて朧月キートスばんじょうし
哀しみはスローモーション朧月せつこ
朧月土塀の続く内子町桔梗
病む吾子に又ねと手ふり朧月のり女
この人と連れ添ふ予感朧月香舟
朧月決算前の帰り道安楽人
気になる句
黄砂さえ わき役にする 朧月
美しい朧月が想像され、内容もよく分かる句だと思うのですが、5・7・5の文字の間が一文字分空けてあります。
分かりやすいようにそうされたのでしょうが、この必要はありません。少数ではありますが他にも数名おられます。初心者のように見られてしまいますのでもったいないですね。
分かりやすいようにそうされたのでしょうが、この必要はありません。少数ではありますが他にも数名おられます。初心者のように見られてしまいますのでもったいないですね。
選者吟
月光の光つぶつぶ朧月素竹
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