俳句入門講座-5

その五、推敲する

出来上がった作品を見直して、さらによい句にしましょう。

 

俳句の推敲のポイント

  1. 焦点が絞れているか
  2. 言葉を選んでいるか
  3. 省略されていても言いたいことが独りよがりでなく正しく伝わるか
  4. 季題が生きているか
  5. 切字の使い方が適切か

などをチェックしましょう。
ポイントを具体的にとらえ客観的に検討することも必要です。

また、漢字や言葉の間違いにも気を付けましょう。
間違った表現では正確に伝わりませんので、辞書はこまめに引きましょう。

 

芭蕉自身の推敲例

閑さや岩にしみ入る蟬の声  松尾芭蕉

『おくのほそ道』で有名な芭蕉の句は、次のような推敲過程を経たと言われています。

  1. 山寺や石にしみつく蟬の声
      ↓
  2. さびしさや岩にしみ込む蟬の声
      ↓
  3. 閑さや岩にしみ入る蟬の声
  1. 「いしにしみつく」がスムーズでなく、切れの効果も感じられません。
  2. 「岩にしみ込む」が主観的で、趣が伝わりません。
  3. イ音の多用によって調べが良く、蟬の声の透明感をも表わす一句となりました。

 
 

ある初心者の推敲例

汀女句碑白たんぽぽと光中
  →日の中の白たんぽぽと汀女句碑

一点差に泣く球児達夏終る
  →一点の差に泣く球児夏果つる