その三、写生する
正岡子規は「写生」という絵画の言葉を初めて文学の世界に取り入れました。
小主観(ごくつまらない主観)を排除し、対象をありのまま写し取る技術を提唱し、「写生」と呼んだのです。
写生の対象は 単に景色だけでなく人間の営みをも含む万物すべてです。
発見の訓練〜見るから観るへ〜
よく対象を見ることによって何かの発見があります。
その発見を心の中で映像化し、それを17文字 で表現します。
発見の訓練について虚子は「じっと景を見ていると、そのうちに何かが動いてこちらに 働きかけてくる。それを待つのだ」と言っています。
流れゆく大根の葉の早さかな 高濱虚子