その二、俳句は「切れの文芸」
「切れ」とは句切れ、意味や内容、リズムの切れ目のことです。
句の途中にあることも、句の最後にあることもあります。
切字は「切れ」を作るための言葉です。
切字の効果
「かな」「けり」「や」などの切字には句に空間をもたらし、詠嘆や感動をより深くさせる効果があります。
それが余韻余情を生み、韻律やリズムを整えて格調の高い句にするのです。
よろこべばしきりに落つる木の実かな 富安風生
大仏の冬日は山に移りけり 星野立子
秋天や高さ争ふ峯二つ 村上鬼城
切字を使う時の注意
- 切字は一句に一つだけ使いましょう。
- 「や」「かな」「けり」を使って安易に形を整えるだけの使い方はやめましょう。
- 切字を使わず名詞で止めたり、連体形で止めたりして切れを強調する作り方もあります。
- 「切れ」とは句の内容の問題であり、必ずしも切字にこだわる必要はありません。
切字 18字
「や・かな・けり・もがな・し・じ・か・らむ・つ・ぞ・よ・せ・ず・れ・ぬ・へ・け・いかに」が、「切字 18 字」とよばれています。