1月の投句箱

木製の独楽の写真

「独楽」

正月の子どもたちの遊びのひとつ。
紐を巻き付け素早く廻したり、指でひねって廻したりする。
昔は路地で遊んでいたが最近は室内で遊ぶことが多い。

今月の選者

藤井 啓子(ふじい けいこ)
ピンクのカーディガンを着た女性の写真
「ホトトギス」同人・「円虹」
日本伝統俳句協会所属・日本伝統俳句協会関西支部広報部長 

特選1

最強と呼ばるる独楽の登場すGONZA

選評

子ども達で競う喧嘩独楽であろう。今まで全戦全勝の独楽がいよいよ登場する。
子らのざわめきや好奇の目が生き生きと描かれている。

特選2

晴れ晴れと打ち負かされし喧嘩独楽立ち漕ぎブランコじゅん

選評

勝負事には勝ちっぷりと負けっぷりがある。これは負けっぷりの良さである。
パンと弾かれ遠くに飛ばされたのか「晴れ晴れと」に潔さがある。

特選3

路地裏に風の子集ふ独楽回し高木音弥

選評

一昔前は路地裏があった。そこでは風の中、子らが遊んでいた。地面で外遊びした頃、風の子がいた頃が懐かしい。

佳作

放たれて独楽に命の宿りけり木村隆夫
回るたび光弾けしあばれ独楽中島 紺
独楽止まり縞の模様の蘇る小林理真
独楽ぶつけ合つてそろそろ仲直り酒井春棋
連勝の独楽や大将左利き伊達紫檀
女だってぶんぶん独楽のよく唸り季與子
子に教へやがて本気の独楽廻しカミムラフサコ
何事かあら珍しや独楽廻し麦秋
少年の心を乗せて回る独楽句楽庵
鉄芯を磨き出を待つ喧嘩独楽一路
ことほぎのいろ混ぜ合わせ独楽回る正念亭若知古
独楽に名を書いて一番強くなり城内幸江
しばらくは勝利の余韻独楽回る
傾きてなお倒れざる独楽の意地立田渓
すくと立ち独楽は無心といふ境地一日一笑

気になる句

手の掌へ乗せれば独楽は大きけり
実感のこもった良い句です。
ただ、「大きけり」が気になりました。
「けり」は「大き」には接続しませんので、この場合は「大きくて」か「大きさよ」が良いです。

選者吟

負け独楽の傷をさすつて泣きじやくる啓子

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