
「立冬」
二十四節気の19番目で秋分と冬至との中間にあたる。おとずれる日としては11月7〜8日ごろ。
傍題……今朝の冬、冬立つ、冬に入る、冬来る
今月の選者
安田 豆作(やすだ まめさく)


日本伝統俳句協会常務理事・北海道支部長
ホトトギス・円虹・桑海
ホトトギス・円虹・桑海
帯広市民ラジオFMウイングの俳句番組・豆作の「のったり俳句ひねもーす」MC
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特選1
谷底に供花立冬のジャンダルム舞矢愛
選評
北アルプス穂高岳の岩峰ジャンダルムを仰ぐ遭難碑。
滑落の危険の高い冬期が来るたびに、毎年必ず供花が捧げられる。
滑落の危険の高い冬期が来るたびに、毎年必ず供花が捧げられる。
特選2
立冬の発酵ゆるりパンの味立ち漕ぎブランコじゅん
選評
よほどパン作りに詳しい方なのだろう。
冬になると発酵速度が遅くなり、それにつれて微妙に変化するパンの味。
冬になると発酵速度が遅くなり、それにつれて微妙に変化するパンの味。
特選3
不透明なる大空や今朝の冬不透明なる大空や今朝の冬
選評
立春は明るく、立夏は躍動し、立秋は落ち着きを取り戻す、立冬は……一番歓迎されない節気なのか、心も晴れずに不透明な立冬の朝。
佳作
立冬や河はひかりを狭めゆく多々良海月
立冬の湯気やはらかに中華街沼野大統領
荒縄の散らばる端切冬来る浮雲
冬来たる肉あんピザまんレジ横に在五中将
立冬の土蹴るばん馬怒涛なり新濃 健
立冬やひかり蓄ふ湖北の藻浅乃み雪
立冬やはじけ損ねし実の残る宇佐美好子
立冬や日影の薄き公園樹艀舟
立冬や園芸店の空の棚山口諺水
白川郷の一斉放水冬来る靜代
ジオフェンス付けて籠りし今朝の冬椋本望生
立冬や遺影の父と白湯分かち佐久凡太郎
だし巻きに押す焼印や今朝の冬木村隆夫
あれこれと引っ張り出して今朝の冬さくらさく
波音の尖りを増して冬に入る龍野ひろし
立冬の湯気やはらかに中華街沼野大統領
荒縄の散らばる端切冬来る浮雲
冬来たる肉あんピザまんレジ横に在五中将
立冬の土蹴るばん馬怒涛なり新濃 健
立冬やひかり蓄ふ湖北の藻浅乃み雪
立冬やはじけ損ねし実の残る宇佐美好子
立冬や日影の薄き公園樹艀舟
立冬や園芸店の空の棚山口諺水
白川郷の一斉放水冬来る靜代
ジオフェンス付けて籠りし今朝の冬椋本望生
立冬や遺影の父と白湯分かち佐久凡太郎
だし巻きに押す焼印や今朝の冬木村隆夫
あれこれと引っ張り出して今朝の冬さくらさく
波音の尖りを増して冬に入る龍野ひろし
気になる句
立冬や欲しき温もり街へ出づ
二箇所で切れている(三段切れ)、後半の言葉をつないで
《添削例》 立冬や温もり欲しく街へ出づ
《添削例》 立冬や温もり欲しく街へ出づ
選者吟
立冬や木立輝く十勝川豆作
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