「夕立」
暑い日の夕方に入道雲が一気に空をおおい、短時間に激しい雨が降りあっという間に上がる、夏らしい現象。
傍題……ゆだち、白雨、夕立風、夕立晴、夕立雲、驟雨
今月の選者
安田 豆作(やすだ まめさく)


日本伝統俳句協会常務理事・北海道支部長
ホトトギス・円虹・桑海
ホトトギス・円虹・桑海
帯広市民ラジオFMウイングの俳句番組・豆作の「のったり俳句ひねもーす」MC
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特選1
夕立に打たるるほかになき小道西尾 翠峰
選評
雨をよけるものが何もない荒野の細道が想像され、寓意を含んで余韻がある。
特選2
窓ガラス叩く夕立や人を待つ横井あらか
選評
会う約束をした人が夕立に濡れるのを心配している。きっと大切な人なのだ。
特選3
ずぶ濡れの友と爆笑大夕立季與子
選評
気の会う同志の放課後だろうか、あっという間の出来事に笑い合っている。
佳作
ざわざわと驟雨の匂ひ広がりぬ中島 紺
夕立に洗ひ流してほしきことしんい
夕立去り再び夜明け来たやうなゆきなごむ
夕立風たちまち牧をひと舐めす呉帆
電話越し走り出す君夕立かそぉい
臍奥の胎動謐か夕立晴近江菫花
夕立を受け止めている岩木山勝本熊童子
夕立やコートに残るボール二個青田道
夕立や人を吸い込むアーケード横山道男
夕立や外階段の小さき滝横井あらか
五十階より夕立を落としをり落句言
夕立去るフロントガラスほの曇るイサク
夕立や火照る草木にちから水むーみんぱぱ
夕立や立ちこぎながら濡れながら水谷未佳
退院や夕立の音も我が家なり小路
夕立に洗ひ流してほしきことしんい
夕立去り再び夜明け来たやうなゆきなごむ
夕立風たちまち牧をひと舐めす呉帆
電話越し走り出す君夕立かそぉい
臍奥の胎動謐か夕立晴近江菫花
夕立を受け止めている岩木山勝本熊童子
夕立やコートに残るボール二個青田道
夕立や人を吸い込むアーケード横山道男
夕立や外階段の小さき滝横井あらか
五十階より夕立を落としをり落句言
夕立去るフロントガラスほの曇るイサク
夕立や火照る草木にちから水むーみんぱぱ
夕立や立ちこぎながら濡れながら水谷未佳
退院や夕立の音も我が家なり小路
気になる句
夕立の度過ぎて花も垂れるなり
「度」と言わなくても、夕立の強さは状況をそのまま描写して、
夕立の過ぎ花までも垂れてをり
で伝わると思います。
夕立の過ぎ花までも垂れてをり
で伝わると思います。
選者吟
夕立のあとを車のしぶきゆく豆作
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