「炬燵」
子どもの頃、炬燵で寝ると風邪をひくよと母に言われましたが、学生の頃の下宿では寒いので毎日炬燵で寝ていました。
慣れると風邪をひくこともなく、人間の身体は結構順応性があるのだなぁと思いました。
今月の選者
真篠みどり(ましの みどり)
日本伝統俳句協会評議員・関東支部埼玉部会長
卯浪俳句会 大宮教室所属
卯浪俳句会 大宮教室所属
自家製ぬか漬けで晩酌をするのが、帰宅後の楽しみです。
特選1
家計簿の温まつてゐる炬燵かな暖井むゆき
選評
炬燵の上に物を置くと、炬燵の熱が伝わって、温かくなってきます。お母さんが、家計簿を付けているうちに、温まったのでしょう。
家族のため、やり繰りに頭を悩ませながら家計簿を付けているお母さんの愛情を感じ、心も温かくなりました。
家族のため、やり繰りに頭を悩ませながら家計簿を付けているお母さんの愛情を感じ、心も温かくなりました。
特選2
久々に炬燵の四方の膨れをり青田道
選評
いつもは、夫婦だけで暮らしをしている家に、子供たちが帰省してきたのでしょうか。炬燵を使って、久しぶりに賑やかになった家を表現しているのが上手いです。
ご両親の嬉しさが伝わってくるようで、炬燵が膨れてるって幸せなことだなぁと感じました。
ご両親の嬉しさが伝わってくるようで、炬燵が膨れてるって幸せなことだなぁと感じました。
特選3
吹き溜まるごとく集まる炬燵かな太刀男
選評
昭和の頃の男子学生の下宿が浮かびました。暇を持て余した友人たちが、次々にやって来て、酒を飲んだり麻雀をして騒いでいそうです。吹き溜まるという表現が、そんな下宿の光景にぴったりだと思いました。
もう一度、あの頃に戻って、何も考えずに騒ぎたいですね。
もう一度、あの頃に戻って、何も考えずに騒ぎたいですね。
佳作
子どもらよ炬燵のうえに立たないで大野美波
正面にテレビの座る炬燵の間塩野谷慎吾
吾の方の布団短きこたつかな暖井むゆき
堀炬燵今日のひと日を話し合うみのる
漱石の全集を背に炬燵かな河島 八々十
麻雀の後は雑魚寝や置炬燵小田毬藻
五人目の足の行方や掘り炬燵老黒猫
老眼鏡借りあう夫婦掘り炬燵城内幸江
叔父の来て麻雀卓となる炬燵立部笑子
一人また一人と揃ふ夜の炬燵柚木みゆき
良き夢を見させて貰ふ炬燵かな木村隆夫
犬猫に断り入る炬燵かなだっく
叱られて弟こもる炬燵かな一路
ページ折る炬燵の上の旅雑誌かとしん
常備薬ずらりと並ぶ置炬燵横山 道男
正面にテレビの座る炬燵の間塩野谷慎吾
吾の方の布団短きこたつかな暖井むゆき
堀炬燵今日のひと日を話し合うみのる
漱石の全集を背に炬燵かな河島 八々十
麻雀の後は雑魚寝や置炬燵小田毬藻
五人目の足の行方や掘り炬燵老黒猫
老眼鏡借りあう夫婦掘り炬燵城内幸江
叔父の来て麻雀卓となる炬燵立部笑子
一人また一人と揃ふ夜の炬燵柚木みゆき
良き夢を見させて貰ふ炬燵かな木村隆夫
犬猫に断り入る炬燵かなだっく
叱られて弟こもる炬燵かな一路
ページ折る炬燵の上の旅雑誌かとしん
常備薬ずらりと並ぶ置炬燵横山 道男
気になる句
次々と靴下出てくる炬燵かな
今回、皆さんが投句して下さった句を読むと、炬燵の中から色々な物が出てきて楽しかったです。
私も、足先が温まってくると、ついつい炬燵のなかで靴下を脱いでしまいます。次々と靴下が出て来るというのが、手品のようで面白いと思いました。
ただ、中八になってしまっているので、靴下の出る、とした方が、より俳諧味が効いてくると思います。
私も、足先が温まってくると、ついつい炬燵のなかで靴下を脱いでしまいます。次々と靴下が出て来るというのが、手品のようで面白いと思いました。
ただ、中八になってしまっているので、靴下の出る、とした方が、より俳諧味が効いてくると思います。
選者吟
先客のにやあと鳴きたる炬燵かなみどり
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