「西瓜」
スーパーで西瓜を見ると西瓜が大好物だった母のことを思い出します。
お風呂上がりに火照った身体で食べる西瓜は何よりの贅沢です。
今月の選者
真篠みどり(ましの みどり)
日本伝統俳句協会評議員・関東支部埼玉部会長
卯浪俳句会 大宮教室所属
卯浪俳句会 大宮教室所属
自家製ぬか漬けで晩酌をするのが、帰宅後の楽しみです。
特選1
どこまでが親類縁者西瓜切るめろん
選評
田舎だと近い遠いはあっても集まっている人が皆親戚ということもあるのでしょう。結婚して初めて相手の実家に行ったのかもしれないですね。賑やかな集まりの雰囲気が伝わってきます。
特選2
地軸あるごとく傾く西瓜かな勝本熊童子
選評
何度、真っ直ぐに置こうとしても、ゴロっと傾いてしまう西瓜。そんな西瓜を地球の傾きに見立てたのでしょう。地軸あるごとく、の表現が秀逸です。
特選3
いくたびも手を持ち替へる西瓜かな塩野谷慎吾
選評
縛っている紐で手が痛くなるほど立派で重い西瓜。誰でも経験したことがあると思います。家族の喜ぶ顔を思い、頑張って歩いている姿が浮かびます。
佳作
山あいの川の温度の西瓜かな宇佐美好子
西瓜持つ誰か代わつてくれまいか空流峰山
子をひとり抱きたるような大西瓜中島容子
居る人を数へ直して西瓜切る塩野谷慎吾
丸ごとの西瓜を買ひし日は遥かえだまめ
清流のひかりに冷やす西瓜かな多々良海月
句読点のように種出す西瓜かな八田昌代
まん丸の西瓜は夕日閉じ込めて一日一笑
本堂の供物を分けて西瓜置く鈴木智子
塩ぱっぱ西瓜がぶがぶ種ぺぺぺ沢井如伽
口も手もびしょびしょにして西瓜食む福井桔梗
もう少し右よ右右西瓜割りdéraciné
良い音など知らずに叩く西瓜かな藤田康子
湧水に浮ぶ西瓜の黒き縞伊藤順女
種多き西瓜や厚き専門書西尾 翠峰
西瓜持つ誰か代わつてくれまいか空流峰山
子をひとり抱きたるような大西瓜中島容子
居る人を数へ直して西瓜切る塩野谷慎吾
丸ごとの西瓜を買ひし日は遥かえだまめ
清流のひかりに冷やす西瓜かな多々良海月
句読点のように種出す西瓜かな八田昌代
まん丸の西瓜は夕日閉じ込めて一日一笑
本堂の供物を分けて西瓜置く鈴木智子
塩ぱっぱ西瓜がぶがぶ種ぺぺぺ沢井如伽
口も手もびしょびしょにして西瓜食む福井桔梗
もう少し右よ右右西瓜割りdéraciné
良い音など知らずに叩く西瓜かな藤田康子
湧水に浮ぶ西瓜の黒き縞伊藤順女
種多き西瓜や厚き専門書西尾 翠峰
気になる句
父の真似して西瓜たたきけり
お父さんの真似をして子供が西瓜を叩いているという、とても微笑ましい光景が描かれていると思います。ただ、2音分字足らずになってしまっているのが少し惜しかったです。
選者吟
一口に汁となりたる西瓜かなみどり
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