7月の投句箱

かき氷

「氷水」

子供も大人も大好きなかき氷は平安時代の枕草子にも登場しているとのこと。
最近は、天然氷で作ったかき氷が人気のようで、ちょっとお高そうですが一度食べてみたいと思っています。

今月の選者

真篠みどり(ましの みどり)
紺色のシャツを着た、長髪の人物が笑顔を浮かべている写真
日本伝統俳句協会評議員・関東支部埼玉部会長
卯浪俳句会 大宮教室所属

自家製ぬか漬けで晩酌をするのが、帰宅後の楽しみです。

特選1

先客の器の跡や氷水ひでやん

選評

かき氷そのものの描写ではなく、食べ終わった後の器の跡を詠まれたのが渋いです。
お店の賑やかさや、これからやって来るかき氷への期待感も感じられます。

特選2

頬張れば脳また歪む氷水ゆきなごむ

選評

かき氷を頬張りすぎて頭がキーンとなる、あの現象を句にするのは難しいといつも思うのですが、脳が歪むという思い切った表現が、まさにあの現象にぴったりだと思いました。

特選3

一匙目どこにしようか夏氷一慎

選評

どこから食べようかと迷うほど立派なかき氷が目に浮かびました。
口語と夏氷としたことで、より夏のうきうきした気分が感じられます。

佳作

唇に匙の冷たさ氷水輝雲彩
お目当ては顔よりデカい氷水白山一花
横並び一口ごとの氷水水谷未佳
ひと匙の甘味を掬ふ氷水塩野谷慎吾
パイプ椅子硬し氷いちごふはふは杏乃みずな
野球部が路地へあふれて氷水無弦奏
大男小さじで啜る氷水まこと
かき氷こぼして歩く店主かな城内幸江
氷水うかうか秘密明かし合ふ英ルナ
氷水最後の赤を一気飲み東の山
学生らスマホ伏せ置き氷水沢井如伽
氷水いつまで続く長電話酒井聡実
氷水無色は損をした気分珍酒
氷水写真一枚撮つてから杉尾芭蕉
中腹を崩しにかかるかき氷菫久

気になる句

へぼ将棋脇に置かれし氷水かな
きっと将棋に夢中になってかき氷は溶けてしまったのでしょう。
溶けたと言わずに、溶けかき氷を想像させる良い句だと思いましたが、最後の、かなが字余りになってしまい、惜しかったです。

選者吟

シロップを眩しき程に氷水みどり

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