12月の投句箱

こたつで寝ている猫と人

「冬休」

楽しい行事もありあっという間に過ぎてしまう冬休

今月の選者

小川みゆき(おがわ みゆき)
氷川丸と薔薇
卯浪講師
日本伝統俳句協会関東支部/副支部長・神奈川部会長
公益社団法人日本伝統俳句協会監事
キャンプが好きな40年来のオールドキャンパーです

特選1

冬休み天窓覗くピーターパン節子

選評

冬休みはイベントが続くので楽しみな休みです。
幼い頃、眠るのがもったいなくて、目を瞑りながらいろいろなことを想像し遊びました。
そんな時ピーターパンが覗いていると思うと最高な夜だったと思います。

特選2

お手玉を祖母に習ひし冬休宇宙ひろ子

選評

昔ながらの手遊びを母や祖母から習ったものです。
シンプルで飽きがこない遊びが多く、繰り返し練習すればそれなりに上達しました。
現代っ子もゲームばかりではなくこのような遊びを喜ぶかもしれません。懐かしい冬休みの一コマです。

特選3

冬休校舎に動く大時計艀舟

選評

冬休みに入り誰もいない校舎。でも大きな時計だけは動いています。
山間の古い校舎の時計を想像していて、雪で何もかも止まったような風景の中で、唯一動いている時計です。
静かな風景です。

佳作

学校のジャージで過ぎる冬休みへな☆けん
常よりも張り切る母の冬休み福井桔梗
鍵っ子の団らん嬉し冬休み北川茜月
編物にのめり込む娘や冬休み満月
駆足で過ぎ去つてゆく冬休 上西左大信
吾子くれるお手伝い券冬休み横山 三水
冬休みめんこばかりに明け暮れて杉尾芭蕉
宿題をさつと済ませて冬休田辺富士雄
シネマ観て笑つて泣いて冬休木村隆夫
飼犬に曳かるる散歩冬休堀 雅一
毎日がイベント疲れ冬休み蛾触
遠き日の思い出ばかり冬休み猿虎
家族湯の九九の拙き冬休満足山
菜切研ぐ厨にぎやか冬休藤田ゆい
リハビリの一日だけの冬休みべにばな

気になる句

猫ずつとずつと寝てゐる冬休
猫好きな方で猫と一緒にお暮しになっているのですね。猫はいつも寝ていてその仕草が作者にとって可愛いのだと思います。
でも猫は動物ですから休みは関係ありませんよね。

自分と猫の係わりがある表現にした方がもっと楽しい句になります。
「猫も吾もずつと寝てゐる冬休」ではいかがでしょうか?

選者吟

御馳走が横に並んで冬休みゆき

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