「霧」
平安時代以降、春は霞、秋は霧に。
「朝霧」「川霧」「霧雨」
今回の選者
今井肖子(いまい しょうこ)
2000年より母千鶴子の手ほどきで作句を始める
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
特選1
夕霧となりゆくテールランプかな古都ぎんう
選評
前を走る車のテールランプがだんだん霧にぼんやりしてきたということでしょう。「なりゆく」が難しいところではありますがここは、省略が効いている、と見ました。
特選2
耳朶に霧の冷たさ残りけり松虫草
選評
いわゆる寒さは、指先や鼻の頭に残る気がしますが、ひんやりとした耳朶がリアルかなと。「けり」より「をり」かと思いましたが、「をり」の方が説明っぽくなるのかもしれません。
特選3
朝霧の晴れて白樺浮かびたつシェーシェー
選評
高原の濃い朝霧の白と、その中から次第に見えてくる白樺の白。色の対比に加えて霧の動きや差し込む光も感じさせます。
佳作
洗濯の音やわらかし霧の朝崎かんな
釣舟の竿振る音や霧の湖堀雅一
朝霧や計時不能の調教馬杉尾芭蕉
夕霧や川遡りゆく秘湯短夜の月
参道の工事の灯り霧に浮き熊蔵
朝霧を抜ける中央線上り英
朝霧のしづく残して晴れにけり遊子
朝霧の奥へ奥へと歩荷かな珈琲斎
朝霧や始発点検済み発車春雪
川霧や漂ふ鳥の影淡く眞
ヒールの音湿らせてゆく夜の霧桃缶
霧深くして山とほく鳥の声石原由女
唐臼の音の微かに霧の中英世
段雷のひびきわたりて霧動く悠久
荷駄乗りき馬の尾の舞う霧の谷坂島魁文
釣舟の竿振る音や霧の湖堀雅一
朝霧や計時不能の調教馬杉尾芭蕉
夕霧や川遡りゆく秘湯短夜の月
参道の工事の灯り霧に浮き熊蔵
朝霧を抜ける中央線上り英
朝霧のしづく残して晴れにけり遊子
朝霧の奥へ奥へと歩荷かな珈琲斎
朝霧や始発点検済み発車春雪
川霧や漂ふ鳥の影淡く眞
ヒールの音湿らせてゆく夜の霧桃缶
霧深くして山とほく鳥の声石原由女
唐臼の音の微かに霧の中英世
段雷のひびきわたりて霧動く悠久
荷駄乗りき馬の尾の舞う霧の谷坂島魁文
気になる句
霧晴れや助手席に君眠りたる
上五を無理に「や」で切らなくても「霧晴るる」くらいでいいのでは。
切るなら「朝霧や」「夕霧や」とするとそれぞれ中七下五から受ける印象が違ってきておもしろいかなとも。
切るなら「朝霧や」「夕霧や」とするとそれぞれ中七下五から受ける印象が違ってきておもしろいかなとも。
選者吟
山霧のやがて川の辺まで白き肖子
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