「花火」
現在は納涼が中心だが本来は盆行事の一環。
揚花火、仕掛花火、遠花火、手花火、花火見。
今回の選者
今井肖子(いまい しょうこ)
2000年より母千鶴子の手ほどきで作句を始める
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
特選1
初めての花火小さき手の先に音弥
選評
仕立ての上手い句です。何ひとつ説明することなく、子供の様子とそれを見つめる優しい視線、手花火の光と家族の楽しいひとときが伝わって来ますね。
特選2
午後八時祈りの花火五分間ちま
選評
兼題を提出したのは年の初めだったので、まさかこんなことになろうとは……。
そして何句かあったサプライズ花火の句の中でもこの句は、二つの数字の具体性が効いていてよく仕上がっています。
そして何句かあったサプライズ花火の句の中でもこの句は、二つの数字の具体性が効いていてよく仕上がっています。
特選3
ゆきずりの人と見ている遠花火梅花人
選評
音のする方をふと見ると花火が見えて立ち止まった作者。同じように少し離れて立っている知らない誰かとしばらく遠花火の時間を過ごす……ありそうでなさそうな、でも物語が生まれそうな遠花火らしい一句。
佳作
二階から母の呼ぶ声遠花火たいぞう
足を止め盗人も観る大花火さとし
二歳泣き四歳笑ふ大花火三宅鴉
手花火に光る結婚指輪かな嘉門生造
静かなる灯や花火なき隅田川鳥滸子
花火師の女ながらも四代目雲母
揚花火崩れて深き空の色まこと
揚花火音を残して崩れゆく喜祝音
送り火に似る手花火のほむらかなキートスばんじょうし
堤防に足ぶらぶらと遠花火伊藤順女
ピザの来て終はり見逃す花火かなたろりずむ
小さき手に大き手を添へ庭花火かぐら
遠花火記憶の隅にある汚点しんい
手花火やバケツに残る黒き水田畑整
花火の夜きらり螺鈿の髪飾り石塚彩楓
足を止め盗人も観る大花火さとし
二歳泣き四歳笑ふ大花火三宅鴉
手花火に光る結婚指輪かな嘉門生造
静かなる灯や花火なき隅田川鳥滸子
花火師の女ながらも四代目雲母
揚花火崩れて深き空の色まこと
揚花火音を残して崩れゆく喜祝音
送り火に似る手花火のほむらかなキートスばんじょうし
堤防に足ぶらぶらと遠花火伊藤順女
ピザの来て終はり見逃す花火かなたろりずむ
小さき手に大き手を添へ庭花火かぐら
遠花火記憶の隅にある汚点しんい
手花火やバケツに残る黒き水田畑整
花火の夜きらり螺鈿の髪飾り石塚彩楓
気になる句
子供らと 花火楽しむ 親心
五、七、五、を分けて書く分かち書きですが、意識的にされているなら構わないのですが、分けて書かなければいけないと思っていらっしゃるならそんなことはありません。
この句も素直なのですが、下五の「親心」は言わなくても伝わりますから例えば句またがりにして、
子供らと 花火楽しみ つつ更ける
などとした場合、
子供らと花火楽しみつつ更ける
とした方が読みやすいですね。
調べを大切にしつつ、自由にお作り下さい。
この句も素直なのですが、下五の「親心」は言わなくても伝わりますから例えば句またがりにして、
子供らと 花火楽しみ つつ更ける
などとした場合、
子供らと花火楽しみつつ更ける
とした方が読みやすいですね。
調べを大切にしつつ、自由にお作り下さい。
選者吟
遠花火窓辺に寄れば風動く肖子
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