「麦酒」
ビール。
スポーツ観戦には欠かせないという向きも。
今回の選者
今井肖子(いまい しょうこ)
2000年より母千鶴子の手ほどきで作句を始める
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
特選1
星を見る角度でビール飲みほしぬ青沙
選評
空を仰いでビールを飲む句はたくさんありどれもおいしそうでしたが、「星を見る角度」とはちょっとした発見、夜風が気持ちよさそうです。
「飲み干す」より、「飲み乾す」より、「飲みほす」だなとも。
「飲み干す」より、「飲み乾す」より、「飲みほす」だなとも。
特選2
乾杯の天へ火蓋を切るビールあさふろ
選評
「天へ火蓋を切る」とは、いかにもビールらしい勢いのある大人数での乾杯と、そのあとの宴まで思わせて巧みです。
特選3
雨音やぬるき麦酒を眺めをり三宅鴉
選評
すこし飲んであとはぼんやりと気泡を眺めるともなく眺めているうちぬるくなってしまった麦酒。雨音や、が時間の経過と心情を表していますが、これも麦酒ならでは。
佳作
川砂利に少し傾く缶麦酒ヨシケン
ビール飲む彼の大きな喉仏照子原照子
家飲みや泡までしづかなるビール遊子
底なしの沼のやうなるビール腹規子
戯言にうなずく猫や缶ビール晴雨
麦酒酌む琥珀の中に見ゆる街澄子
断捨離を先へ先へとビール飲むたむらせつこ
疎遠なる親子取り持つ麦酒かな嘉門生造
真実を見極めたくて黒麦酒愛燦燦
ビールまで五歩の在宅勤務かな珍酒
細胞の所望してゐる麦酒かな珈琲斎
忘れたき事はビールの底にあり寺津豪佐
黒ビール消したき過去の二つ三つ石原由女
飲み干して青空しみるビールかな海老名吟
泡うすく山気に冷ゆるビールかな大福
ビール飲む彼の大きな喉仏照子原照子
家飲みや泡までしづかなるビール遊子
底なしの沼のやうなるビール腹規子
戯言にうなずく猫や缶ビール晴雨
麦酒酌む琥珀の中に見ゆる街澄子
断捨離を先へ先へとビール飲むたむらせつこ
疎遠なる親子取り持つ麦酒かな嘉門生造
真実を見極めたくて黒麦酒愛燦燦
ビールまで五歩の在宅勤務かな珍酒
細胞の所望してゐる麦酒かな珈琲斎
忘れたき事はビールの底にあり寺津豪佐
黒ビール消したき過去の二つ三つ石原由女
飲み干して青空しみるビールかな海老名吟
泡うすく山気に冷ゆるビールかな大福
気になる句
のどごしもわからないままにジョッキ
ビアジョッキとわかりますが、やはりここは「のどごしもわからないままビアジョッキ」とか「ビール干す」でしょうか。
気だるい日 果てつる伝手は 麦酒(ビイル)だけ (回文俳句)
けだるいひはてつるつてはびいるだけ
「けだるいひ」と「びいるだけ」はよく思いつかれたなあと思いますが、「果てつる」は文法的にちょっとおかしいので
けだるいひはてつつつてはびいるだけ
とされたらいかがでしょう、ああビール飲まないともうだめかも~。
選者吟
グラス磨くビールの泡のためだけに肖子
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