「十薬」
蕺草(どくだみ)。名前の音とは逆に全草に薬効がある。
今回の選者
今井肖子(いまい しょうこ)
2000年より母千鶴子の手ほどきで作句を始める
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
特選1
蕺草の陰でまるまるダンゴムシmi
選評
裏庭のダンゴムシのいる少し濡れた土の匂いが、そしてどくだみの匂いが漂ってくる句です。中七下五のダンゴムシのかわいい収まり具合も佳。
特選2
十薬の途切れし所仄暗しモペット
選評
花に見える白い部分は「苞」だという十薬ですが、十字形のそれは可憐で美しくもありますね。日陰に群生する十薬の醸す明るさを感じさせる一句です。
特選3
十薬を干してさみしき狭庭かな比々き
選評
雨がちな日々、盛りを過ぎてうすにごる十薬のさみどりの花、干された茶色がかった葉。さみしい、は、さびしい、が転じたものということですが、この句を声に出して読んで、その違いをあらためて感じました。
佳作
どくだみや夕闇淡く聖母像ふじこ
どくだみや手の鳴るほうへ行ったきりたろりずむ
どくだみの静かに白き雨後の庭加茂 亘
十薬の十字の群れる小暗がり松子
十薬の蕊の受けたる星のこゑ砂山恵子
十薬に日暮来てゐる寺の庭茫々
十薬の花の盛りの売家かな一己句
十薬の花鮮やかに朝の雨楠丘
十薬は茂り放題日は昇る八十二
花壇には十薬ばかり雨きたる梅花人
十薬の匂ひほのかに外厠古都ぎんう
十薬の空に垂直なる群生海老名吟
どくだみの花に弾かれたる眼あさふろ
十薬を干して三日の雨となりごぼうの花
指の股より十薬の匂いかな菊池洋勝
どくだみや手の鳴るほうへ行ったきりたろりずむ
どくだみの静かに白き雨後の庭加茂 亘
十薬の十字の群れる小暗がり松子
十薬の蕊の受けたる星のこゑ砂山恵子
十薬に日暮来てゐる寺の庭茫々
十薬の花の盛りの売家かな一己句
十薬の花鮮やかに朝の雨楠丘
十薬は茂り放題日は昇る八十二
花壇には十薬ばかり雨きたる梅花人
十薬の匂ひほのかに外厠古都ぎんう
十薬の空に垂直なる群生海老名吟
どくだみの花に弾かれたる眼あさふろ
十薬を干して三日の雨となりごぼうの花
指の股より十薬の匂いかな菊池洋勝
気になる1句
十薬に鼻つっこんでいる野良の猫
着眼は素直でいいと思うのですが、中七が9音で長いのでたとえば「野良猫の十薬に鼻つっこんで」などとされても良いのでは
選者吟
十薬のはみだしてゐる日向かな肖子
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