「囀(さえずり)」
春の到来を喜ぶように続けて鳴く鳥の声。
今回の選者
今井肖子(いまい しょうこ)
2000年より母千鶴子の手ほどきで作句を始める
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒
特選1
囀や小さき手つなぐランドセル 立野音思
選評
めずらしい発想というわけではありませんが、うまく仕立てられていますね。新一年生のごくあたりまえな四月の光景が今年はほぼ見られずさびしいことです。
特選2
囀りや腕立て伏せは未だ五回神誉
選評
運動不足解消にとやってはみたものの五回で息があがってきた作者。軽やかなさえずりが、励ましてくれているようなくすくす笑っているような。
特選3
囀りや人越えられぬフェンスあり
瀬沙奴
瀬沙奴
選評
その先は森に続いているのでしょうか。フェンスを仰いだ先に、広々とした囀の空が広がります。
佳作
囀りやサンドイッチに煎り卵砂山恵子
囀りの消えて久しき造成地多摩湖
囀の中の物憂き目覚めかな悠久
囀や窓辺に寄れば妻も来てたいぞう
炭酸の泡が上へと囀れる隠岐灌木
避雷針に留まりひねもす囀れり藪柑子
囀りや仏足石の水たまりぶえもん
囀や今朝快調な万歩計dragon
校庭に囀り満ちて訃報あり神誉
囀りや高天原の明けゆける古都ぎんう
さへづりや籠いつぱいのコッペパン古都ぎんう
篁に葉擦れの音と囀りと八十二
囀と共に歩いて曲がり角照波
囀や縮むソーシャルディスタンス菊池洋勝
さへづりのひとつしづかに始まりぬ呉帆
囀りの消えて久しき造成地多摩湖
囀の中の物憂き目覚めかな悠久
囀や窓辺に寄れば妻も来てたいぞう
炭酸の泡が上へと囀れる隠岐灌木
避雷針に留まりひねもす囀れり藪柑子
囀りや仏足石の水たまりぶえもん
囀や今朝快調な万歩計dragon
校庭に囀り満ちて訃報あり神誉
囀りや高天原の明けゆける古都ぎんう
さへづりや籠いつぱいのコッペパン古都ぎんう
篁に葉擦れの音と囀りと八十二
囀と共に歩いて曲がり角照波
囀や縮むソーシャルディスタンス菊池洋勝
さへづりのひとつしづかに始まりぬ呉帆
気になる1句
囀るや鳶職人の昼休み
鳥囀る学級閉鎖の小学校
どちらの句も中七下五は感じがあるので、上五は、囀や、とされた方がよいのではないでしょうか。
選者吟
さへづりを仰ぐ足裏に木のぬくみ肖子
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