虚子の声・秋の句


 
 

高濱虚子

朗読: 高濱虚子
音楽: 池内友次郎
昭和22年6月16日
キングレコードスタジオにて録音

 
温かき茶を含みつゝ秋の雨

藤袴吾亦紅など名にめでて

簪の耳掻ほどの草の花

菊車よろけ傾き立直り

萩を見る俳句生活五十年

悲しさはいつも酒気ある夜学の師

子規墓参それより月の俳句会

去来忌やその為人拝みけり

歌膝を組み直しけり虫の宿

背中には銀河かゝりて窓に腰

籬の豆赤さ走りぬいざ摘まん

停車場に夜寒の子守旅の我