11月の投句箱

落葉

「落葉」

「落葉掻」「落葉籠」「落葉焚」とも。

今回の選者

小川龍雄(おがわ たつお)
小川龍雄のアイコン
1952年生まれ
1978年から句作
日本伝統俳句協会理事

特選1

落葉道いちばん赤い葉を拾ふ松子

選評

何となく楽しいひと時。一番赤い落葉を見付けることは出来たのだろうか。

特選2

爪先でそつと踏み出す落葉道砂山恵子

選評

落葉道はよく滑る。恐る恐る一歩を踏み出す作者。

特選3

足向くは落葉降り積む土の道まつぼっくり

選評

舗装された道ではなく、落葉の積む土の道を選んだ。落葉を踏む音は心地いい。

佳作

静けさや落葉の音に振り返りいちろ
突風に落葉の渦となりにけり愛燦燦
実を残し枝を離るる柿落葉もとぼん
声高な異国語交じる落葉道みなと
落葉掃く清掃員の背中かな望月龍昇
土の色土の匂ひの落葉かな寺津豪佐
暗がりのぬた場に落葉色重ね芙蓉
風の夜の明けて落葉の社かな楠丘
黒塀の紅き落葉や角館 大谷如水
神苑に鳩翔びたちて落葉舞ふ郁李
藁屋根に欅落葉のふりしきる
駅長は一人勤務や落葉掻比々き
落葉して東京の空真つ青に虫喰穴
ご近所へ声かけ落葉焚の朝中島容子
かさこそと落葉の下に潜むものチズ

気になる1句

本を手にカフェのひととき落葉散る
枝から離れた瞬間からを落葉というのであれば正しい。
枝に残るのは枯葉、従って「枯葉散る」の句はよく見るが「落葉散る」はあまり見ない。
「落葉舞う」あるいは「枯葉散る」としてはどうだろうか。

選者吟

大いなる袋をひよいと落葉掻龍雄

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