1月の投句箱

松の内

「松の内」

元日から松飾のある間をいう。

今回の選者

今井肖子(いまい しょうこ)
今井肖子のアイコン
2000年より母千鶴子の手ほどきで作句を始める
2004年日本伝統俳句協会賞受賞
句集『花もまた』
卯浪俳句教室講師、ホトトギス同人
好きなもの:スウォッチ、数学、日本酒

特選1

惚けるなと子に頼まるゝ松の内秋山白兎

選評

皆が集まるお正月、子が孫が、という句がたくさんありました。
具体的な叙し方がリアルでどこか切ない。

特選2

里山のひだまり歩く松の内松子

選評

久しぶりの帰省、穏やかなお正月休みなのでしょう。
ふるさと、と言わず、里山、とされて佳。

特選3

気がつけば三日坊主や松の内立野音思

選評

う、まだ一週間も経っていない……。共感を呼ぶ仕上がり。

佳作

御朱印の筆の勢い松の内令和のねずみ
松の内澄んだ瞳の人さらいトマト使いめりるりら
出勤です松の内でも休めませんあんこ
松の内部屋の空気に浸り切る徐々亭
呼び合うて集ふ烏や松の内たいぞう
ふくよかになりたるからだ松の内まつだまゆ
松の内百花盛らるるロビーかな香舟
すりあげし墨のにほひや松の内遊子
松の内ポスト何度も覗きけり城内幸江
三世代揃う仏間や松の内せつこ
ハイボールの泡ゆつくりと松の内隣安
松の内孔雀の羽の伸びやかに古都ぎんう
茶畑に御供へのある松の内こいちゃん
アンテナショップは小さきふるさと松の内比々き
松の内ピンと張りたる猫の髭かぐら

気になる1句

路地裏にカレー漂う松の内
おせちに飽きたらカレー、はよくある発想かもしれませんが実感ですね。
ただ、カレー漂う、というとカレー皿が浮遊していそうで無理があるのでは……カレーの匂い、香り、などでいかがでしょう。

選者吟

松の内黒きシャッター半開き肖子

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