6月の投句箱

風薫る

「風薫る」

すがすがしく匂うように吹いてくる柔らかな風。
薫風とも。

今回の選者

小川龍雄(おがわ たつお)
小川龍雄のアイコン
1952年生まれ
1978年から句作
日本伝統俳句協会理事

特選1

薫風や赤い如雨露の跳ね回る田んぼ

選評

水遊びが楽しい時期。如雨露を持って走り回る子供の姿が活き活きと描けた。

特選2

風薫るバドミントンの羽は屋根木の葉

選評

風に乗ったのか勢い余ったのかバドミントンの羽が屋根に乗ってしまった。外遊びが気持ちよい季節の風景が描けた。

特選3

薫風や金剛杖の真新し中島 容子

選評

お遍路にでも行くのだろうか。真新しい金剛杖も薫風も初々しい。

佳作

風薫る山の辺の道歌碑巡り英ちゃん
木漏れ日を踏んでゆく子よ風薫る森沢奏
ボランテアガイド訥弁風薫る風来子
薫風や行方不明になりたくて泥亀
風薫る新シーズンの背番号28
風薫る蓙の四隅の河原石ヨシケン
風薫る今日も守るや魔除け像キーヨ
乳飲子の小さき欠伸や風薫るかるさんぽ
薫風や川を眺めて握り飯dragon
薫風や細波川を上りをり郁李
病室へ薫風入れて深呼吸田原 春
薫風や母国にメール打つ木陰伊藤花径
風薫るビルの谷間のランチどき行人
ハモニカに合わせ合唱風薫る照波
薫風やしきりに動く馬の耳かぐら

気になる1句

風薫る猫はまったりと石段に
助詞は省ける場合がある。
「猫は」の「は」を省き、「風薫る猫まったりと石段に」で、字余りだった句がすっきりした十七音となる。

選者吟

薫風や氷川丸から日本丸龍雄

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