第34回 日本伝統俳句協会賞・受賞作品紹介

第34回 日本伝統俳句協会協会賞 アルプス一万尺 内藤花六 炎天や槍と穂高を分かつ道 岩塊の矢印先は夏空へ 岩登る日盛呼吸のみ聞こゆ 水すべて汗となりけりテント負ふ 天水を命の水として登山 絶壁の赤き梯子や雲の峰 落石の […]

第33回 日本伝統俳句協会賞・受賞作品紹介

第33回 日本伝統俳句協会協会賞 「はつけよい」鈴木 風虎 松過ぎて両国渡る触れ太鼓 初場所や四股に封ずる悪鬼邪気 砂かぶり春著の袂庇ひつつ もうもうと巨体湯気立つ寒稽古 猫やなぎ走る相撲部柔道部 豆まきの華つややかに大 […]

第32回 日本伝統俳句協会賞・受賞作品紹介

第32回 日本伝統俳句協会協会賞 「水の賦」田中 黎子 風の出て川底の春動きだす 園児らの一塊の春橋渡る 舟下る春炬燵乗せ棹歌のせ 芽柳の風の重さの少し揺れ 手を添ふる水の別れや流し雛 春風や水の三叉路向くベンチ 詩聖恋 […]

第31回 日本伝統俳句協会賞・受賞作品紹介

第31回 日本伝統俳句協会賞 「金魚飼ふ」和田和子 貰ひしは酔ひし勢ひ金魚飼ふ いたいけな命貰ひし金魚かな 寝不足や金魚迎へし夜の明けぬ 一人居に金魚二匹の加はりぬ 諦めてゐしが金魚を飼ふことに 古稀吾に土佐金といふ家族 […]

第30回 日本伝統俳句協会賞・受賞作品紹介

第30回 日本伝統俳句協会賞 「能登の揚げ浜塩田」宮下末子 塩田の千畳礁初凪げる 東雲に七つ島置く初明り 麗らかや塩田開き砂開き 春光の空へ気合の潮を撒く 春潮の桶に踏み込み撒く矜持 風光り撒き鏤める潮光る 塩田の砂の筋 […]